アメリカの自動車会社にフォードという会社があります。
フォードを創業したのは“ヘンリー・フォード”ですが、彼は、まだ自動車が庶民に普及するなんて想像できない時代から、庶民が乗れる自動車を作ろうと考えていました。
そういった奇想天外な思想の持ち主だったので、周りの人からは変わり者だと言われていました。
ヘンリー・フォードはバカか天才か?
そして、あちらこちらからこんな噂が出てきたのです。
「フォードは実は頭が悪いんではないか?」
その噂は、やがてフォードの耳にも入ってきました。
そしてフォードをからかう輩が出てきたのです。
「フォード社長、これをご存知ですか?」
「フォード社長、もしかして、あれを知らないなんて言わないですよね?」
フォードは言いました。
「なぜ、私があなたの質問に答えるために、全ての知識を頭に入れておく必要があるんだい?」
さすがです。
全くその通りです。
ですが、たちの悪い輩は、フォードはそう言って自分が馬鹿であることを隠していると騒ぎ出したのです。
それで、フォードはどうしたと思いますか?
① たちの悪い輩をぶんなぐる
② 法的手段に訴える
③ 猛勉強して全ての知識を頭に詰め込む
私ならば、費用対効果で考えた場合、②が最も有効かと考えます。
ですが、フォードは天才です。
そんな選択はしませんでした。
フォードが選択したのはその中にはありません。
“④ 全ての質問に答える”です。
しかし、全ての質問に答えることなんて、人間のなせる業ではないと思うのです。
フォードは、このピンチをどう乗り越えたのか?
全ての質問に答えたヘンリー・フォードの賢さ!
フォードはたちの悪い輩に言いました。
「ではみなさん、いついつの何時に私のオフィスに来てください。そこで、あなたがたの全ての質問にお答えします。」
これを聞いたたちの悪い輩は、ついにフォードの馬鹿さ加減が証明されると、マスコミや新聞記者、優秀な弁護士たちを集めました。
そして運命の日がやってきました。
フォードの社長室には大勢のマスコミ、新聞記者、弁護士が集まりました。
みんな、我先にぞと、意地悪な質問をしたがっています。
それに対して、フォードはただ一人でいます。
「それでは、順番に、私に質問してください」
フォードは言いました。
フォードのデスクには、電話があるだけです。
最初の弁護士が、自動車の構造について専門的な質問をしました。
フォードは質問は分かりましたと言い、電話をかけ始めました。
電話の相手は、自動車工場の技術者です。
技術者は弁護士の質問の答えをフォードに伝えました。
それをフォードが弁護士に答えるのです。
次に、新聞記者やマスコミが次々に質問するのですが、そのたびにフォードはその答えを知っている専門家に電話をかけて答えました。
そして、フォードは言いました。
「みなさんは、私を馬鹿だと思っていらっしゃるようだが、私は誰が答えを知っているかを知っている。だから今こうして、あなたがたの全ての質問に答えることができる。」
そこにいた全員が、ヘンリー・フォードという男が天才であることを認めた瞬間でした。
この話をまとめます。
“凡人は、全ての答えを知ろうと努力する”
“天才は、誰が答えを知っているかを知っている”
あなたも、そんなところでくすぶっていないで、頭を使って理想の現実を手に入れてください!
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